Regular Contents
FAnet TOP連載コンテンツ一覧CLOSE
【246】こらっ いい加減にせい! 中国のコピーブランドの実態[2008/09/17]
ロンドンはオレに任せろ!

No.A
まず、今回の北京でのファッション・チェック。いちばん、ファッショナブルだった子。チュニックとミニスカート。ヘアスタイルは“ゆる巻”。本人は完璧なまでのフルコーディネートのつもりなんだろうが、アタシに言わせれば要素が多すぎる。巻き髪優先なら、帽子とネックレスが余計だな。それに、チュニックにはショートパンツの方がポイント位置がバストにきて、今のシルエットになるのに。

No.B
黒とベージュのバイカラー。レギンスは七分丈にするか、ニーハイソックスに換えて肌の露出がほしい。まっ、日本でもありがちな今風のコーディネート。しかし問題は品質だよ。トップスも素材がヨレヨレ。胸元のカルチエのネックレス、グッチのショルダーバッグは、ほぼ間違いなくコピーもん。これだよ、中国のファッションの悪いところは!

No.C
中国ではごくごく一般的なファッション。アクセサリーの使い方や丈のバランスが、なんせいいんだよ。なぜだろうって研究したら、完璧なまでに復元されたコピー商品だから! 自然とバランスがよくなっちゃうんだよ。

(左)街で見かける若者は100%と言っていいほど、ブランドのバッグを持っている。しかもそのほとんどが間違いなくコピーなんだよ。その中でもグッチの人気は高い。しかし、こんなにさり気なく持たれると、見てる方でさえも良心がとがめるよ。

(右)これはヴェルサーチ?のジーンズに、D&Gのバッグのコーディネート。よくよく見ると、革が少し安っぽい。

 今週は北京報告の第2弾。先週、北京の飛行場に着いてからの悪口を散々言ったが、今回はお待ちかねのファッション編

 日本で言えば、丸の内や銀座、日比谷辺りなんだが、天安門に近い北京の中心地に建つ地下2階、地上8階建てのファッションビルで、公然と有名ブランドの偽物が売られているんだ。北京オリンピック開催が決まった時から中国政府は、国際倫理に基づきコピー製品を一掃すると言っていた。が、これがふたを開けてみたら、ウソばっかり……ところ狭しと偽物があふれているではないか。

 1階から上のフロアは衣類。D&G、マックスマーラ、サンローラン、ヴェルサーチ……驚いたことに日本のNIGOもあるし、低価格のGAPまである。地下は高級バッグのフロアで、グッチ、ヴィトン、D&G、クロエ、ロエベ、ボッテガ、マルニ……どこを見てもコピー以外の商品は一つもないんだよ

これも公然と売られていたロエベのバッグ。ロエベ・ブランドも向こうでは人気で、コピーもよく見かけた。これも最初は日本円で30000円くらいの事をいってたが、叩くと15000円。もういらないって言うと8000円。もちろん、買わなかったけどね。

ヴィトンもバリエーションがすごい。その気になって探せば、ゆうに100を超える。

 で、そこに来ているのは中国国内の観光客と北京オリンピックに来た海外選手達。ロシア系の選手なんかはヴェルサーチが大好きで、こぞって買ってたもんな。いいのかねぇ、こんなんで。あり得ないものを見たって感じだったよ

 アタシもこの光景は希少だと思い、写真を撮ろうとしたら、「写真! ダメ! ダメ! あなたコピーする」だって。バカ言ってんじゃない。パクってるのは、オメーらだろ!

 それで、街中の子達はと見ると、なぜか皆、日本よりカッコイイんだよな。OL系はグッチかロエベ。遊び人風はD&G……全員が高級!?ブランドのバッグを持ってるんだもんな。学生もディーゼルのナイロンバッグにナイキの靴、スピードのリストバンドとブランドで固めてる。これじゃさあ、日本人より、そりゃ、オシャレに見えちゃうよな。

 だが、それもそのはず。サイズからステッチ1本、訳も分からず寸分違わずコピーしちゃう中国。ちょっとしたカットソー、ワンピースのカッティング、サングラスのデザイン……日本は海外ブランドを参考にした商品は作っても、あくまでもマネ。

 で、丸ごとコピーした中国製品は、バランスは本物そのままだから、ファッション雑誌から飛び出したように皆、オシャレに見えちゃうんだ。ファッション人間としては堪忍袋の緒が切れたね。「こら、いい加減にせい!」って怒鳴りたいよ。

 なんともまぁ、見ちゃいけないものを見た、後味の悪い旅だったよ。故宮博物院や天安門等、立派な歴史的意義のあるものが多い国なのに、モラルが欠けている

 泊まったホテルも、普段、4000円くらいの風呂なしの部屋を12倍の価格の68000円に吹っかけてきた。「ふざんけな!」と文句を言ったら、いきなりメゾネットの部屋に変えたけどね。現場にいると、見なくてもいいものが見えてイヤになったよ。

(写真左)お粗末なペロンペロンの水玉のトレンチコート。サイズ展開はSMLと結構、コピーにもムリがある。コピーものの中でも相当レベルが低い方。

(写真中)素材はひどいが、シルエットは本物ズバリ。

(写真右)こんなものまでコピーされているのには驚いた。儲かるものであれば何でもコピー。

高級ファッションビルの中には最高級携帯電話「ヴェルチュ」のショップもある。その中で売られている約270万元(ちなみにプライスカードの¥は中国元の事)、つまり日本円で4300万円の携帯がこれだ。ここは日本人相手ではなく、中国人の大富豪のためのショップ。今年になって、もう何個か売れたという。

 かと思いきや、高級ブティックが対面にあって、バブルな中国・北京の象徴なんだろうが、携帯や貴金属の売り場がすごいんだ。世界の大富豪が買いに来るのかと聞いたら、中国の富裕層が顧客なんだって。何百万円は日常的に、何千万円の時計も毎月定期的に売れているというからビックリだ。

 まっ、17日間のオリンピックを、国を挙げて何が何でも成功させようとした共産党パワーはすごかった。実際、外国から来た人達には何と思われようと、世界何十億人に対しては、CGを駆使し、どんな手段を使ってでもTV画面でよく見せようとした、中国のしたたかさがバンバン伝わってきた。

 こういう、したたかさは日本の内閣も学んでほしいよな。立て続けに2代目議員、ボンボン首相が退いて行く、情けない、今の日本の内閣だからな。

 今回、北京へオリンピックを見に行って痛感させられた事だが、張りぼての建物だけでなく、“急いじゃいけない!”、何事も時間をかけるって事が大切なんだって思っちゃった

 人の動きは台本通り。北京でのオリンピックは、早すぎたんじゃないかなぁ。

(写真左)これが天安門の入口。さすがに門の前に立つと、そのたたずまいにちょっと感激。中国の偉大さを感じた。直立不動の警備員と天安門がホント絵になる。

(写真右)天安門をくぐると故宮博物院がある。中に入って驚いた驚いた。想像を絶する景色だ。何とこれは大理石。門と宮殿を合わせたら建物は100近くある。恐ろしいほどの文化財だ。溥儀(ふぎ)の映画「ラストエンペラー」でしか見ていなかったが、中国の歴史と偉大さにぶったまげたよ。

(Text/Akiko Takeuchi)

previous next
えっ! ドン小西があなたのファッションをチェックしてくれる?!≫

top page close×