ル・スフレ−西麻布−スフレ専門店│MAKIE(園山真希絵)の才色兼備のレストラン 小学館FAnet

 
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MAKIEの才色兼備のレストランin TOKYO
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ル・スフレ <西麻布>
ル・スフレ <西麻布> ル・スフレ <西麻布>
港区西麻布3-13-10カスタムパークサイドビル2F
Tel 03-5474-0909 マップはコチラ
定休日 月曜日
営業時間 12:00〜22:00(LO)
アクセス 日比谷線広尾駅西麻布方面
出口から徒歩3分
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 まるで淡雪を焼いたかのようなスフレ(フランス語で「膨らませた」という意味で、泡立てた卵白の泡を使ってふっくらと仕上げた料理やお菓子のこと)は、卵白中に含まれた空気が膨張して2〜3倍に膨らみますが、冷えるとすぐにしぼんでしまうため、お店側にとっては、提供が難しく、なかなか食べられるお店が無いもの。できたての熱々、ふわんふわんのスフレ…言葉にしただけで、憧れと愛おしさがこみ上げてくるのは、私だけではないはずです。
 そんな愛くるしく繊細なスフレを専門店にしてしまったのが、西麻布「ル・スフレ」。お店の中に入ると、お茶をしながら、ゆったりとした午後の時間を楽しむ女性の姿があります。外のざわめきは消えて、代わりに楽しそうな声が行き交う客席。ショーケースの中には可愛らしい自家製チョコレートや焼き菓子たちが、お行儀良く並べられて・・・穏やかな時間が流れる店内。
 その舞台裏では、『ル・スフレ』オーナーシェフ永井春男氏が、時間に追われ、スフレと戦っていることも知らずに…。

(写真1)これが「ランチセット」(¥2000)
(写真2)ソースを入れる瞬間。スフレがしぼまないうちに〜。ドキドキワクワク。
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 こちらのスフレの材料は至ってシンプルで、牛乳、卵、砂糖、バターがあれば、お姫様のような可愛らしく優美なスフレができ上がります。それは、魔法でも何でもなくて、シェフが戦いの末に勝ち取った結晶。
 冒頭にも述べた通り、スフレはオーブンから出した途端に変化がはじまってしまう、とってもデリケートなデザートです。15秒も経てばしぼみはじめてしまうので、お客のテーブルの上に置くまで、シェフの時間との戦いは終わらないのです。
 食べる側である私たちも、スフレが来る前に準備を整えおかなければなりません。席に着くと、食べ方を書いた紙があるので、まずそれを読み、目の前に出されたら、すぐにスプーンを入れられるようにしておきましょう。スフレが来てから説明文を読んだりすると、その間にどんどんしぼんでしまうのですから。そして席をむやみに立ったりすると、最高の一瞬を逃してしまうこともあるのでご注意を。

 メニューには、ヴァニラのプレーンなものから、チョコレート、シナモン、アンズのスフレや、カルヴァトス、グランマニエなどの洋酒で香り付けしたスフレが、およそ30種類揃えられています。
 ランチタイムなら、キッシュとサラダのプレートに、スフレ(好みのものをチョイス)とコーヒーが付いたセットがおススメですよ。キッシュも、ハムとベーコン、ムール貝、オニオンなど10種類の中から2種を選ぶことができます。
 今回は、スタンダードな「ヴァニラのスフレ」をオーダー。セットのキッシュは、美容効果の高いホウレン草とサーモンにしました。

(写真3)スフレの中央部に穴をあけて、ソースを注いで、いただきまーす。スプーンを入れるのがもったいない・・・。
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 まずはプレートからいただいたのですが、キッシュも申し分ない軽やかな美味しさ。お店によっては、バターが主張し過ぎて、やたらと濃厚すぎるものもありますが、こちらのキッシュは、不思議なまでに上品で滑らか。ふわっとした優しい味の後に、ピンポイントで塩気のアクセントが際立ってるんです。
 そして、ちょうど甘いものが食べたくなったころに、お待ちかね、スフレ様のご登場です。器の中から真っ直ぐ上へ顔を出した生地を目の当たりにすると、思わず「きゃ〜」と歓声を上げてしまいます。でも、早く食べなきゃ、今にも生地がしぼんでしまいそう。
 でも、スプーンを入れるのがもったいない〜。そんな葛藤を乗り切り、しぼむ前に、スフレの真ん中をスプーンでくり抜き、まずは一口パクリ。玉子の柔らかな香りと、穏やかな甘さがいっぱいに広がった、と思ったら、口の中のスフレは・・・あれ? 消えてる。まさに夢のような感覚。

 なーんて、感動に浸っている暇はないのです! 中央のくぼみに急いでソースを流し込む。トロリとしたアングレーズソースと生クリームをスフレにからめ、再びパクリ。温かいスフレと冷たいソースの温度差も口に楽し。あ〜、幸せ〜。
 でも、一口ごとに集中しないとすぐになくなってしまう。「もっと口の中にいてよぉ」と思うのですが、スフレが「早く食べて〜」と語りかけてて。パクリパクリとしているうちに、あっという間に全部を食べきってしまいました。う、もう一つ食べたい!
 そんなわけで、「フランボワーズのスフレ」を追加。待つことおよそ15分後。再び憧れの人とのご対面です。ほんのり赤みがかった生地に、今度はフランボワーズと生クリームのソースをかけていただきます。
 甘酸っぱいけど、ドぎつさのない味のバランスのとれたフランボワーズソースが、スフレをより一層引き立てるドレス役になって、華やかで美しい味わいになっていましたね。

(写真4)こちらは「フランボワーズのスフレ」。生地にもほんのりフランボワーズ色。もちろんソースにもしっかりフランボワーズ。
(写真5)フランボワーズスフレにソースを注いでいるところ。
(写真6)フランボワーズスフレにソースがのっかり、あら、可愛い♪
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 ドリンクを飲むのは、スフレを食べ終わってからが良さそうです。優しい甘さなので、刺激の強い飲み物よりは、スフレを邪魔しないソフトな口当たりの紅茶がおすすめです。もちろん、ドリンク無しでもペロッと食べられるので、後でゆっくりいただいたほうがいいかもしれませんね。

 東京で唯一のスフレ専門店。シェフにとってスフレとは?
 「考えたことがないね。自分がやりたいと思ったことをやってきただけだから。“こだわってる”なんて言われるけど、美味しくするために、やらなければならないことをやっているだけなんだよ。手を抜けば美味しくなるわけではないでしょう? だから手を抜かないだけ。お客さんのことを考えたり、合わせることもしないし、言いたいこともないよ。お店に一歩足を踏み入れて、感じてくれたこと、店に流れる空気、それらすべてが自分からのメッセージ。それで気に入ってくれて、また来てくれれば、それで良いんです」

 こんな思いで店を続けて、23年。最初は15種類ほどだったスフレのメニューも、今では倍の30種に。最後に、シェフ曰く、「そのスフレごとにお客様がついているから、当初からあるものは変えられないんですよ」と。
 “自分の味を気に入って来てくれるお客を裏切らない味を守ること”。これがシェフの愛情表現なんでしょうね。スフレたちも嬉しそう♪
(写真7)店内の様子
(写真8)自家製量り売りチョコレート
(写真9)店の入り口

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