(写真1)私、のっけから「裏」?メニューを味わっちゃいました。「玉ねぎの炭火焼き」(1,000円)です。これがおいしいのなんのって。
(写真2)「玉ねぎの炭火焼き」の表面は、本当に真っ黒ですが、中は真っ白。上の写真のように、アルミホイルに包まれたままテーブルに出てきます。お皿に添えられている味噌は、一味、味噌、玉子の黄身、砂糖を入れて酒で練った一味味噌。これをつけて食べると、玉ねぎの甘みがグッと引き立ちます。どことなく燻製されたような香りも、炭火焼きならではです。
「糸」と「吉」、くっつけると「結」って字になりますよね。おいしいご飯が人を結び、そのおいしさを分ち合う人同士も結ばれ…。食べ物って、人と人とを結んでくれる架け橋のようなもの。人や食の縁を結べたら…。今回ご紹介する『糸吉』は、そんな意味が込められた日本のご飯屋さんです。
メニューを見れば、田んぼと山に囲まれた遠い故郷を思い起こさせてくれるような、素朴で温かみのある料理の数々。素材に柔らかく味がしみた「肉じゃが」をはじめ、歯ごたえをいかした「コンニャクキンピラ」、自家製「塩辛」といった、古きよき日本のおかずや酒の肴が、私を呼んでいるようで、あれもこれもつい手を伸ばしたくなっちゃいます。“モテる料理”って、こういう料理を指すんじゃないかって思います。
そういった定番家庭料理が中心となる中、裏の『糸吉』ご自慢料理があると聞きつけたもんだから、トライしないわけにはいきません。ワクワクしながら、その裏番長(?)を待つこと数分。アルミホイルに包まれた何物かが登場。中を開けてみれば、真っ黒玉ねぎがごろんっ! なんじゃこりゃっ! 福岡産の厳選した玉ねぎに、頭から十字に切れ目を入れた後、皮付きのままアルミホイルに包んで炭の上で40分以上炭焼きにした「玉ねぎの炭火焼き」ですって。
皮は真っ黒ですが、表面の皮を剥いてみると、艶やかで透き通るような玉ねぎの身。まずは何もつけずにそのまま頂きましたが、「えっ、玉ねぎってフルーツじゃないよね…?」と思わされるほど。炭火でじっくり時間をかけて加熱されているだけあって、芯から重厚な甘みが口いっぱいにこぼれます。
おいしいパンチを喰らい、メロメロになった状態のまま、今度は特製の一味味噌をつけて。ピリッとした辛味噌が、ひと味違った旨みワールドに導いてくれました。一玉で二度美味しいってことですね☆(玉ねぎだけに。。。笑)
(写真3)コンニャクキンピラ:680円。あらかじめ冷凍したコンニャクを使っているそうですが、こうすることで、歯ごたえが残るんですって。上に乗る刻み大葉が、さわやか〜。
(写真4)野菜炒め玉子とじ・キクラゲあんかけ:980円。きのこ類は、焼いた時にチリチリにならないよう一回サッとボイルし、バターで炒めてあります。あんには、吉野くずを使用しているそうです。キクラゲのコリコリとした食感も面白いですよ。トマトが入っているから、和なのに、きも〜ち洋風?
玉ねぎに続けといわんばかりに登場した絶品料理が「野菜炒め玉子とじ・キクラゲあんかけ」。5種類もの野菜が入った、超体想いなオムレツ風玉子焼きです。野菜は日によって違うようですが、この日は、美肌効果満点のトマト、食物繊維豊富なマイタケやキクラゲ入り。玉子焼きの上には、鰹だしのきいたあんがとろ〜りかかるのですが、食べる前から、食べ終わるまで、頬っぺた緩みっぱなしでした。
オリジナリティにとんだ優しい「和」味で、幸せが体に充満しているところで、料理長の柴崎さんから、「豚の生姜焼き」をどうしても食べてほしいとのオファーが。「実は、豚肉に下味を漬け込んでいるのではなく、玉ねぎにしっかり味をつけてるんですよ。普通のしょうが焼きじゃつまんないかなってことで」と、柴崎さん。
確かに、粗みじん切りにされた玉ねぎの色は、醤油とみりんで煮詰められた飴色。この飴色玉ねぎが、軽く味をつけてさっと炒められた豚肉の上に、生の長ねぎと一緒に盛られていました。
豚肉の下には、マヨネーズがかかった千切りレタスが敷いてあります。甘辛味のよく染みた玉ねぎ、生のねぎやレタス、アクセントのマヨネーズが、従来の生姜焼きのこってり感を、うっとり気分に変えてくれてました。う〜、ご飯が食べたい〜。そう思っていたところに、柴崎さんが、ナイスタイミングで『糸吉』の看板メニュー「土鍋ご飯」を出してくれたんです〜。
この「土鍋ご飯」、オープン前から、かなり試行錯誤を繰りかえし、今でも研究に余念がないらしく、「どんなご苦労がありましたか?」という私の問いに、「いや〜、最初は焦げたり、固かったりで…。焦げた飯のまかないばっかり食べてましたよ(笑)」と苦笑い。
(写真5)豚の生姜焼き:1,260円。お肉は茨城のロース肉が使われ、肉そのものに旨みがあります。醤油みりんベースの甘めの味付けながら、一番上に乗っかった生の長ねぎ特有の辛みが、全体を引き締めていて、おいしさに拍車がかかります。
(写真6)土鍋ご飯:2合1,800円、3合2,700円。生玉子or温泉玉子・自家製味噌2種・自家製海苔の佃煮付きです。土鍋は圧力がかかり、熱がこもって、いい蒸らし加減になるため、お米が美味しくなるんですって。玉子かけご飯も、温玉かけご飯も両方食べたいですよね〜。私は両方イキました(笑)。使われている「もみじ玉子」は、パプリカや海藻を餌にして育った鶏の栄養パワー満点の玉子だそうです。
なるほど、フタが二重になっている土鍋は、なかなか扱いが難しいもの。でも、そこまでして土鍋にこだわるのは、やっぱり土鍋で炊くご飯は格別だから。フタを開けると、一粒一粒姿勢良くぴしっと立ったピカピカ白米(熊本産ヒノヒカリ)が、心地よい香りと白い湯気と共にこんにちは。
ご飯のお供に、特製海苔の佃煮、一味味噌、山椒味噌、そして、黄身ならぬ、オレンジ身と言っても過言ではないくらい黄身の色が濃い“もみじ玉子”の生玉子or温泉玉子がついてきます。
また、ご飯の姉さん女房役(?)としておススメなのが、原木ジャンボなめこ使用の「なめこおろし」。まず白米オンリーでお米本来の味わいを堪能した後は、色んな味との融合を楽しみます。いやはや、ご飯がススムのなんのって。食いしん坊泣かせです。
「もうそろそろ、『糸吉』をオープンしてから初めての春を迎えます。目黒川沿いの桜並木は絶景ですが、当店では、気候の暖かさは自然に任せて、食と人の温かさをお届けします。“心と気分はいつも春”でお待ちしております!」と柴崎さん。
春は出会いの季節と言われますが、『糸吉』では、四季プラス、さまざまな「縁」と「結」が、皆様をお待ちしていますよ。
(写真7)ご飯になめこおろしをのせて…。甘辛醤油系テイストの「なめこおろし」は840円です。それにしてもこのなめこ、本当にジャンボ…。色んなご飯の楽しみ方ができて、ますますご飯が好きになっちゃいました。おいしすぎて、食べすぎ注意の私です。
(写真8)おーい、柴崎さーん。黒板の方が目立ってますよ〜。料理長の柴崎さん、シャイすぎます(笑)
(写真9)こんなお尻の絵画が店内の至るところに。きっとオーナーの趣味なんでしょう(笑)。全15席のこぢんまりとしたお店ですが、こちらでお食事をした後は、地下に潜む大人の雰囲気満載のバー『Canoe』で朝まで…なんてことも…?!
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